第百三十九章

「待ち合わせにこんな場所を選ぶなんて、どこのどいつの考えよ?」

町のいかがわしい一角にある、寂れたコインランドリーに向かって歩きながら、ジェイダは吐き捨てるように囁いた。

「あたしだけど」ジェンがぱっと明るい声を上げた。

ジェイダの目がジェンに向いた。「あなたが? ルッソ一家との会合を、裏カジノのホールでやるって決めたのが?」

「そうよ」

「やめろって言ったんだがな」後ろからレオが言った。「もっとも、彼女の言い分も一理あったが」

「その言い分て、何なのよ?」ジェイダが尋ねた。

ジェンは片方の肩をすくめた。「マテオによると、あたしにはポーカーフェイスの才能があまりないらしいの」

「...

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