チャプター 26

翌朝、ロリはガブリエルの腕の中で、彼の胸の上に頭を乗せた状態で目を覚ました。いつ体勢が変わったのかは分からなかったが、ガブリエルがまだベッドにいる時間に起きられたことに、彼女は嬉しい驚きを感じた。正直なところ、それは快挙と言ってよかった。彼の部屋で眠ったときはいつも、目が覚めると隣は空っぽだったからだ。

ガブリエルが身じろぎし、目を開けた。

「起きたのか」

彼はあくびをしながら言った。ロリはそっと彼から体を離した。

「あなたはまだベッドにいるのね」

「んん……」

ガブリエルは枕に顔を埋めて唸った。

「おはよう」

ロリはベッドから抜け出しながら言った。昨夜は一度も起きずに済んだ。...

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