チャプター 50

彼はシャワールームの椅子に座っていた。彼女が髪を洗いやすいようにと、あらかじめ置いておいたものだ。ガブリエルはこの体験を存分に味わうため、できる限り心を無にしようと努めた。ロリの手が自分の髪に触れる感触、それ以外のことは何も考えたくなかった。

彼が求めていたのは、ほんの少しの平穏と愛、そして究極の静寂だった。

ロリは洗面台のキャビネットからシャンプーとコンディショナーを取り出した。服が濡れないようショートパンツとタンクトップに着替え、邪魔にならないよう髪を三つ編みにしている。

シャワールームに入ると、彼女はお湯加減をぬるめに調整し、シャワーヘッドを彼の頭上に持ってきた。血が洗い流され、水...

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