15話

セレネの視点

肺が焼けるように痛む。塩素の効いたプールの水を喉に詰まらせながら、必死に目を開けようとしている。胸に鋭い痛みが走り、内側から引き裂かれるような感覚。気道が閉じて体内の酸素がすべて失われていく中、奇妙な平和の感覚が訪れる。心の奥で、これで終わりだと分かっているかのように、ようやく休むことができるという安堵感。

目が最後に閉じかける瞬間、この世界の最後の光景を捉える。不気味な青と緑のるつぼ、庭のイルミネーションの反射が水面に点々と浮かんでいる。その黄色い光の玉は、ゆっくりと天に向かって浮かぶ小さな気泡によってのみ遮られ、そして突然の泡の爆発。

鉄の棒のような力が私の腰に巻きつき...

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