158話

フレデリック

まあ、これは面白い展開だ。セリーネがこんなに自己主張できるとは思わなかった。明らかにベータたちとドレイクが私の思っていた以上に悪影響を与えているようだ。しかし、彼女がここにいるということは、彼女に過ちを悟らせる機会でもある。

「どういう意味だ?」私は両手を広げて、彼女に話を続けるよう促す。

「とぼけないで」セリーネは噛みつくように言う。「あなたは公の場で私の夫に挑戦したのよ」

なんと、彼女は気が向けばこんなに気の強い女になるのか。私の狼が唸る。

彼女から矯正すべきもう一つの悪い癖だな、と私は思い返す。いくつかはあると思っていたが。

それに、彼女の様子はずっと良くなってい...

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