16話

セレーネの視点

しまった。

パーティーでドレイクに付き添ってもらうよう頼んだとき、私はバスティアンに少し彼の薬を飲ませるつもりで、軽い誘惑やダンスを計画していた。イライラさせる程度のことが目的だった。イライラしたバスティアンなら扱えるが、激怒したバスティアンは危険だ。

私は目を見開いて夫を見つめている。彼はドアの前に立ち、変身の寸前で、怒りが波のように放出されている。彼の金属のような視線は私の顔、私の涙、そして慰めるドレイクの手に固定されている。

ドレイクは私たちの上に迫る狂暴な生き物に少しも動じていないようだ。彼は指を私の肌から離し、友好的な笑顔でバスティアンに向き直った。「バスティ...

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