177話

アラベラ

あれは危なすぎた。と私は必要な安堵のため息をつきながら考える。ポーション製造者が最近の注文を届けに立ち寄ってくれたという単なる幸運のおかげで、バスティアンに睡眠溶液を注射することができたのだ。

ある程度の機転も働いたかもしれない—このような緊急事態のために注射器を用意してバッグに入れておいたのだが、使う必要がないことを願っていた。バスティアンをベッドまで運ぶのを手伝ってもらい、その労力に追加料金を請求された後、私の怪しげな取引相手は来たときと同じくらい素早く立ち去り、セリーネのことをどうするか一人で考えることになった。

バスティアンに記憶ポーションを十分に注入したので、計画を最...

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