190話

セレネ

「もうこれ以上続けられない」私はタルタロスの輝く街並みを見つめながら呻く。ブレイズはあと一時間もしないうちに謁見を始めるだろう。そして私の夜はこれまでと同じように過ぎていくのだ。彼の召使いたちは私に信じられないほど高価なドレスを着せ、私はカリプソ・パックの貴族たちが手で口を隠して私についてひそひそ話し、ブレイズが私にへつらう間、たった一時間だけそれを身につける。最終的には吐き気を理由に夕食から席を外し、自室に戻ってブレイズが現れて私に手を出そうとするのを待つ。私は彼を催眠状態にして寝かしつけ、その後はバスティアン、リラ、そして私たちの未来について悩みながら眠れぬ夜を過ごすのだ。

何...

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