21話

儀式の日

セレネの視点

私の指は不安げに、ウェディングドレスのボディスに刺繍された花々を辿っていく。繊細な白の逸品で、とても軽やかで幻想的なため、花嫁というより森の妖精のように見える。

三年前、バスティアンと一緒にこのドレスを選んだ日を覚えている。私の華奢な体つきを完全に圧倒しない最初のドレスだった。それまで数え切れないほど他のドレスを試したけれど、この薄絹の生地を身にまとった瞬間に分かったの。そしてバスティアンの表情がすべてを物語っていた。

これが拒絶の儀式のやり方:結婚は始まりと同じように終わる。

私たちは同じ服を着て、同じ月明かりの祭壇で友人や家族が見守る中で会い、同じ音楽さえ...

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