24話

セレネの視点

「これは何?」私は息を詰まらせ、懸賞のチラシを見つめながら心臓が激しく鼓動する。

「何でもない」バスティアンが紙に手を伸ばすが、私は肘掛けに身を反らせて、今にも落ちそうになるまで身を引く。腕を彼の手の届く範囲を超えて伸ばすことはできないかもしれないが、彼がそのページを取り戻すよりも私を受け止めることを選ぶと信じている。

幸い彼はまさにそうし、私が体を彼から捻じ曲げている間、私の腰をしっかりと掴んで支えてくれる。「明らかに何かよ」

「セレネ、やめなさい」彼は諭すように言い、私を椅子に引き戻す。「怪我をするよ」

私はふんと息を吐き、チラシを彼の鼻先で振る。「これについていつ...

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