43話

三人称視点

十年の計画、三年半にわたる懸命な努力、そしてそのすべてが一本のくそったれた密告電話で台無しになるかもしれない。

私は怠慢になり、計画の成果の低さに落胆していた。どういうわけか、カリプソパックの動向や、セレネをバスティアンの軌道に戻すことができるヴォラナ・ウルフの捜索を見逃していた。

ある意味では避けられないことだった。バスティアンはいつかエロスの領地を訪れるだろうと思っていたが、私はいつも準備する時間があると想像していた。セレネのアスフォデルでの存在を隠し、彼女の匂いを消す時間が。もし時間さえあれば、彼女を隠すことができたのに。

もっとも、それまでも物事が順調だったわけでは...

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