5話

セレーネの視点

「三年もあれば自由に慣れるでしょう。そしてアルファの配偶者という地位は、たとえ私たちが一緒にいなくなっても、生涯保護を保証します。あなたは別のメイトを選ぶ自由もあります」とバスティアンは確認する。

その瞬間、私の中で何かがスイッチのように切り替わり、湧き上がろうとしていた感情の嵐が静まり、心地よい無感覚が残る。「それがあなたの望みならば」と自分が言っているのが聞こえた。

「それが最善だと思う」バスティアンの声はとても遠くに感じられ、私は再び鏡に向き直り、見知らぬ人を見つめる。彼女の目から光は消え、そもそもどうしてその光があったのか不思議に思う。

今や私の未来は明確だ。こ...

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