52話

セレーンの視点

言葉が口から出た瞬間、それが間違いだったと気づいた。

バスティアンにリラが彼の子ではないと言うのは一つのことだった。私たちのことを忘れるよう言うのはまた別のことだったが、二度と会うことはないと示唆するのは、怒り狂った雄牛の前で赤い旗を振るようなものだった。そして、この三つを一緒にするなんて?それはただの愚かさだった。

バスティアンが私に向かって飛びかかり、大きな手で私の髪をつかみ、彼の目を見るように頭を引っ張り上げた。彼の溶けた銀の視線が私を貫き、彼の口は私の口のわずか数センチ上にかかっている。私の胸が彼の筋肉質な腹部に触れ、ルナが私の頭の中で切実に鳴いている。

「今、...

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