第151章

フレイヤ視点

アンソンが手に持ったワイングラスがキャンドルの光を反射して煌めいた。彼は椅子の背もたれに深く寄りかかり、その目は片時も私から離れようとしない。

その視線に含まれる挑発的な色は、誰の目にも明らかだった。

「単刀直入に言おう」彼はワインを揺らしながら言った。「ムーンシャドウ・パックのルナにふさわしいのは、アンジェラだけだ」

私のフォークが宙で止まる。『また始まったわね、クソッ』

「彼女はどんな時も俺の側にいてくれた」アンソンはグラスをアンジェラの方へ掲げて続けた。「俺は彼女の価値を知っている。彼女をルナにすれば、ライバルのパックたちは皆、問答無用でひれ伏すだろう」

アンジ...

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