第157章

ジュディス視点

私は目の前のコンクリートミキサーを睨みつけた。手はすでに埃まみれで、デザイナーもののブラウスは見るも無惨に台無しだ。

周りの建設作業員たちは、まるで何でもないことのように鉄骨やセメント袋を運んでいるというのに、私はレンガを一つ持ち上げるだけで背中が悲鳴を上げる始末だった。

『ちくしょう、フレイヤのやつ、わざとやってるに違いない!』

人狼としての力があればもっと楽なはずなのに、どういうわけか、ただの労働者扱いされているという屈辱が、すべてを十倍も重く感じさせた。

確かに私はオメガだけど、プライドだってある。こんな……こんな日雇いの人間みたいに、建設現場を這いずり回るため...

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