第179章

フレイヤ視点

闇の中から四匹の狼が飛び出してくる光景は、純粋な救いであるはずだった。カレブの巨体が一番近くにいたハンターに激突し、ゾーイ、エヴァンダー、セオドアが散開してエドモンドの完璧な陣形を崩していく。

「ああ、よかった……」

番(つがい)の絆を通じてアレクサンダーの安堵感が流れ込んでくるのを感じながら、私たちは背中合わせになり、混沌の渦中で身構えた。

一瞬――ほんの一瞬だけ――私たちは生きて帰れるかもしれないと思った。

だがその時、私は奴らの姿を見てしまった。

エドモンドの陣地の背後から三つの人影が現れ、硝煙と混乱の中を捕食者のような優雅さで進んでくる。中央の人物が手を伸ばし...

ログインして続きを読む