チャプター 33

ティファニー視点

アレクサンダーが会議で忙しい隙に、私はホテルを抜け出した。期待に胸が躍る。

一石二鳥――今回のロッキー山脈への旅は、まさにそのためだった。アレクサンダーと二人きりの時間を持つこと、そしてもっと重要なのは、マイクを見つけ出し、フレイヤの持ち物から「拝借」したデザイン画について話し合うこと。

マイクはすべての群れでかなりの評判を築き上げていた――彼が手掛ける作品は、大陸中の群れのリーダーたちがこぞって欲しがる逸品だ。

重い扉を押し開けると、作業台にかがみ込んでいるマイクの姿が目に入り、自信がみなぎってきた。

「マイク」と、偽りの温かみを込めた甘い声で呼びかける。「急なお...

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