チャプター 11

エルサ

ドレイクはタオルを掴むと、私に視線を向けないまま、その裸の胸を拭った。彼の沈黙に、はらわたが煮えくり返る。熱いタールのような怒りが、体の中でふつふつと湧き上がってきた。

「彼女は伝統的な家庭の出なんだ」やがて彼が言った。こちらの内側が崩れ落ちそうになっているというのに、その声は抑えられていて、忌々しいほど冷静だった。

喉に割れたガラス片が突き刺さるような、冷たい笑いが漏れた。「私の質問の答えになってないわ」

「彼女の一族は、伝統を重んじるブラック・オブシディアンだ。それに、まだ処女なんだ」

「彼女、二十四歳よ、ドレイク。それで純粋無垢だと本気で信じてるの?」私は吐き捨てた。肌...

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