チャプター 22

エルサ

翌朝、午前七時四十五分にストーン・インダストリーズに到着した。足首はサポーターで固定しているにもかかわらず、ズキズキと痛んだ。ソフィアが車で送ると言って聞かなかったのだ。「威張り散らしたアルファ野郎」だの「権力振りかざしてる」だの、暗い声でぶつぶつ言いながら。

ロビーに近づくと、タイムクロックの近くをうろついているヴェラの姿が目に入った。私の内なる狼が即座に警戒態勢に入った。罠の匂いを嗅ぎ取ったのだ。彼女はコーヒーカップを二つ持ち、汚れひとつない真っ白なデザイナーもののブレザーを羽織っていた。

彼女の匂いに混じったドレイクの香りが、まるで物理的な一撃のように私を打ちのめした。私の...

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