第113話ホワイトウルブズ

ペネロペ

私は緊張していた。そのことは、誰の目にも明らかだった。

それは決してありふれたことではない。ルナが自らの権利と血統によって、群れの議論の余地なきリーダーとなることなど、めったにないのだ。王直々の勅命という事実も、事態を気楽にしてくれるわけではなかった。

マキシマス王は多くの人々にとって謎に包まれた存在だったが、一連の出来事を経て、特に戦士たちを各地に派遣することで、その存在感を示し始めていた。ここでも、王の戦士たちが「クリムゾン・ファング」の群れへ向かう私たちの護衛についていた。

状況は比較的コントロールされていると分かってはいたが、念には念を入れて、ネイトは大勢の護衛を手配...

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