第150章

リチャード視点

それから二十分後、俺たちはエマの個人クリニックに到着した。エマはすぐにリリーの診断を説明しながら注射を打つなど、手際よく処置を始めた。

「真菌感染症ね」リリーのバイタルをチェックしながら、彼女は自信に満ちた口調で言った。「細菌性じゃない。だから抗生物質が効かなかったのよ」

彼女が作業するのを不安げに見守っていたが、リリーの呼吸がゆっくりと規則正しくなっていくのを見て、安堵のため息をついた。「真菌?」

「その通り」エマは別の薬を準備しながら、考え込むような表情になった。「でも、どうやって真菌に感染したのかしら。そこが腑に落ちないわ」

一時間も経たないうちに、リリーの熱は...

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