チャプター 50

リチャード視点

三十分近くも優しくなだめすかして、ようやく俺はキャシーを寝かしつけたところだった。彼女は泣き疲れて、小さな体はようやく俺の腕の中で力を抜いた。俺はそっと彼女をベッドに下ろし、慎重に寝かせつけ、布団をかけてやった。俺の指は彼女の頬に残り、最後の涙の跡を拭った。

何があったにせよ、明日には必ず真相を突き止めてやる。俺の娘をこんなふうに泣かせた奴を、ただで済ますつもりはない。

その時だった。ポケットの中で携帯が振動し、画面には知らない番号が表示されていた。俺は静かにキャシーの部屋を出て、電話に出た。

「おはようございます、ブラックウッドさん」受話器の向こうから、あからさまな嘲...

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