私に嘘をつけ、ハニー

マリアナ

宮殿の正門は一日中、毎秒厳重に警備されている。私はハンドバッグを脇に抱え、いつもよりはカジュアルさを抑えたタン色のスラックスにクリーム色のセーターという服装をしていた。大騒ぎにならずに中に入れてもらえることを願ってのことだ。財布に身分証明書がすべて入っているか二重に確認したし、サングラスを外して警備ゲートを見つめても、やはり圧倒されるような不安感がこみ上げてくる。

舞踏会の夜は、迎えの運転手が寄越されたので城に入るのはたやすかった。あの夜は正門を通る必要がなかったのだ。でも、今は?

息を吸い込み、止めたまま、アラバスターの石でできた巨大でそびえ立つ壁の外に配置された戦士たちに向...

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