第20章 完璧な計画

「そうですか?」水原葵が唇を上げて反問した。杉山美咲が彼女を陥れようと罠を仕掛けたようだ。どこまでこの嫌がらせを続けるのか、見ものだわ。

「一体どういうことだ?」杉山お爺さんが眉をひそめて尋ねた。江口雲上の婚約者が盗みを働くとは信じがたかったが、孫娘の確信に満ちた言葉と目撃者の証言に、疑わざるを得なかった。

「実はですね、さっき美咲ちゃんがダイヤモンドリングを見せてくれた時、水原葵さんが通りかかって、そのリングをすごく気に入った様子で、じっと見つめていたんです」白川岚が一歩前に出て、もっともらしく説明した。

水原葵は不快な表情を浮かべた。

いつ自分がそんなリングに目を留めたというのだ...

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