第21章 成功に顔を打つ

「これが私のダイヤモンドリングよ!」杉山美咲は興奮し、極めて軽蔑的に水原葵を見つめた。

「水原葵、やっぱり君が盗んだのね!今、現行犯逮捕、証拠も人も揃っている。何か言い訳があるのかしら!」

水原葵は彼女のハンドバッグの中にダイヤモンドリングが確かにあるのを見ても、淡々として何の反応も示さなかった。

それは彼女が予想していたことだった。

ウェイターが彼女を指差した瞬間、水原葵は確信した。ダイヤモンドリングは彼女のバッグの中にあるに違いない。

彼女は冤罪を被ったのだ。

しかも、冤罪をかけたのは明らかに杉山美咲だ。

「水原葵、実はさっきダイヤモンドリングを返して謝罪してく...

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