第22章 無実を証明する

鑑識課の警官はすぐに検査結果を出し、咳払いをしてから言った。

「我々の鑑定によりますと、この指輪から水原さんの指紋が検出されました」

水原葵の胸が一瞬ドキッとした。彼女の指紋があるなんて、そんなはずがない。

そもそも彼女はその指輪に触れたことすらないのだ。

この警官は江口雲上が呼んだはずだから、杉山美咲に買収されているとは考えにくい。となると、唯一の可能性は、杉山美咲が彼女の隙を見て指紋を採取したということだ。

「水原葵、これで証明されたわね。あなたが私の指輪を盗んだことが」杉山美咲は得意げな笑みを浮かべた。

「署長、この人が私の指輪を盗みました」杉山美咲は水原葵を指差しながら言...

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