第27章 贈り物

杉山美咲は挑発するような目つきで水原葵を睨みつけた。

この田舎者なんかに、まともなものなんか用意できるはずがない。きっと何も準備してないに違いない。

これで江口爺やにも分かるはず。誰が本物のお嬢様で、誰が江口雲上にふさわしいのか。

江口雲上との縁談は江口爺やが決めたと聞いている。この機会を逃すわけにはいかない。爺やの心変わりを待つしかない。

最近、杉山美咲は江口香織の機嫌を取るため、あの手この手を尽くしてきた。香織の承認を得るためだ。でも、江口雲上は相変わらず冷たい態度を崩さない。

江口香織が教えてくれたところによると、水原葵は単なる江口爺やが決めた婚約者で、雲上も仕方なく承諾した...

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