第37章 異例の会議

しかし、次の瞬間、江口雲上の冷たい声が杉山美咲を凍りつかせた。

「杉山美咲、出て行っていけと言ったんだ」

「雲上……」杉山美咲は信じられないといった様子で目を見開き、唇を噛んだ。

「まだ企画書の説明もしていないのに!」

江口雲上は眉をひそめ、いらだたしげに彼女を一瞥した。

「置いていけばいい」

「でも、お兄さんが詳しく説明するようにって言ったのに……」杉山美咲は辛そうな表情を浮かべた。

江口雲上が水原葵の前で彼女を追い出そうとしている。これでは彼女の立場がない。

以前の江口雲上は彼女に冷淡なところがあったとしても、今日のように追い出すようなことは決してなかっ...

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