第41章 あなたが設計図を交換した

「何の用?」中村玲奈と白川杏は同時に足を止め、水原葵への不満を押し殺しながら、彼女に疑わしげな視線を向けた。

水原葵はさっきファイルから取り出した白紙を振りながら

「今からこの件について話しましょう」

水原葵の手にある白紙を見て、中村玲奈の瞳が思わず揺らいだ。

「何が言いたいの?」

水原葵は紙を持って江口雲上の前まで歩み寄り、彼に手渡した。

「ちゃんとした設計図が突然白紙になるなんて、江口社長は何も疑問に思わないんですか?」

江口雲上は節くれだった大きな手でその白紙を受け取り、会議テーブルに置いた。彼の長い指が何気なくテーブルを叩き続け、どこか言いようのない圧迫...

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