第42章 計略に乗る

「かしこまりました」林田峰は恭しく応じた。

すぐに、林田峰は今朝の水原葵が空港へ行って戻ってくるまでの間の監視カメラの映像コピーを持って、会議室に戻ってきた。

「社長、入手しました」林田峰は手に持ったUSBメモリを江口雲上に差し出した。

江口雲上はUSBメモリを受け取ると、少し背もたれに身を預け、目を細めた。

監視カメラは一体何を捉えていたのか?

江口雲上は表情を引き締め、USBメモリを机の上に置くと、淡々とした口調で言った。

「再生してくれ」

「はい」林田峰は命令を受け、パソコンとプロジェクターを立ち上げ、USBメモリの監視映像を再生し始めた。

中村玲奈は...

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