第47章 これはお前を助けるために怪我したんだ

水原葵は自分の失言に気づき、軽く咳払いをして説明した。

「昔、学生の頃にテコンドーをやっていたんです」

テコンドー?

江口雲上は軽く笑い、何も言わなかった。

すぐに病院に到着し、医師は江口雲上に全面的な検査を行った。

水原葵の判断通り、江口雲上の手の傷は表面的なもので、大した問題ではなかった。

幸いなことに、江口雲上の足は水原葵に蹴られても骨折してはおらず、ただの軟部組織挫傷で、数日の休息で回復する見込みだった。

水原葵はようやく安堵のため息をついた。

「よかった、大丈夫で」

江口雲上は深い眼差しで彼女を見つめ

「どうした、俺のことを心配してるのか?...

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