第48章 食べさせろ

水原葵は江口雲上を片手で支えながら、もう片方の手で彼のズボンのポケットから鍵を探り始めた。

水原葵の小さな手が無造作に探り回る。

江口雲上は軽く鼻で笑い

「どこを触ってるんだ?」

「ごめんなさい」水原葵はハッとして、顔を真っ赤にし、慌てて謝りながら方向を変えて鍵を探した。

今日はどうしたことか、鍵まで彼女に意地悪をするかのように、いくら探しても見つからない。

水原葵はついつい焦ってきて、江口雲上のポケットの中を慌ただしく探るが、焦れば焦るほど見つからなくなる。

布地越しに、江口雲上は水原葵の手が自分の太ももをなでるのを感じ、その感覚は、まるで電流が走るようなしび...

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