第7章 ピアノ対決

水原葵はこの頃、江口グループで平穏に過ごしていたものの、別荘でのんびり過ごしていた日々や世界中を旅していた時のことを懐かしく思い出していた。三ヶ月という期間が、彼女にとってはとても長く感じられた。

ある日、江口グループの周年記念パーティーが開かれることになった。夕方になると、水原葵は江口家の人々にスタイリングを施され、ドレスに着替えさせられ、江口雲上と共にパーティーに出席することになった。

江口グループのパーティーは盛大に執り行われ、複合商業施設の著名人が多く集まっていた。

社長である江口雲上は接客に忙しく立ち回っていた。

彼女はこういった集まりが苦手で、自由気ままな生活に慣れていた...

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