B&E

アイラ

「母はルナだったけれど、私は十四歳で連れ去られたから、その役割のための教育を受けていないの。クラーク・パックのルナと少しの間一緒に過ごして、それは役に立ったけれど……やっぱり、ここのパックが具体的にどういうやり方をしているのか知りたいのよ」

自分の声と同じくらい、気分も落ち込んでいるのを感じる。

善意はあるけれど、乗り越えなければならない自己不信がたくさんあるのだ。

「まあ、あたしはパックのルナの養女みたいな感じで育ったしね。彼女の息子があたしの『番(つがい)』だったわけだし。とにかく、そんなことは知ってるでしょうけど。たいていのパックには緊急時のガイドラインがあるものよ。アル...

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