フライングマローズ

アイラ

「シールド!」

セインが叫び、私は今日だけで百回目になるシールドを張った。

「上出来だ、小さな狼。目標は、言われずともシールドを張れるようになることだ。脅威を見た時じゃない、音を聞いた時に張れるように感覚を研ぎ澄まさなきゃならない。見てからじゃ、手遅れになることもあるからな」と、セインがキッチンから説明する。

「毒に侵されたあなたを守った時みたいにシールドを維持するより、何度も繰り返し使う方が疲れるわ」

短時間に何度もシールドを使ったせいで、私はへとへとになっていた。

「その能力は使えば使うほど、おまえにとって楽になっていくと思う。スタミナをつけるようなものだと考えろ」

私が欠伸をす...

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