彼を迎えに来る

セイン

俺は部下たちの手前、平静を装いながら作戦室内を行ったり来たりしていた。彼らも俺と同じように、この事態に腹を立て、黙りこくっている。

「アルファ・スティーブンスが組織と繋がっていたなんて、知る由もなかった。俺たちが掴んだ情報には、そんなものは一切なかったんだ」タイラーが豊かな茶髪に指を梳き入れながら言った。

「いや、直接繋がってはいなくても、繋がりについては知っていたのかもしれない」壁に貼られた写真や地図を睨みつけながら、デイモンが指摘する。

「誰かが奴に逃げ道をちらつかせたとか? だが、なぜ彼女を始末する必要がある? スティーブンスは彼女を拒絶した。ならそれで終わりだ。始末するなん...

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