新規採用

セイン

二時間前まで、俺は運命の番に骨抜きにされたアルファだった。それが今、俺はオフィスで椅子に座っている。隣には俺の番。テーブルを挟んだ真向かいにはサイラスとレイヴン。昨日、俺の番に対して抱いた殺意にも似た怒りが、再び込み上げてくるのを必死で抑えていた。

「昨夜はお互い殺し合わずに済んだみたいだな。おめでとう」俺がそう言うと、アイラが腕に手を伸ばし、俺を落ち着かせようとしてくる。

「そっちこそ、相変わらず今日もお堅いことで」サイラスは表情を消して言う。レイヴンが唇をきゅっと引き結び、笑いを堪えようと噛みしめているのが見えた。俺の番も同じことをしているのに気づく。まあ、だろうな。

「昨...

ログインして続きを読む