心配しないで、プランがあるんだ

サイラス

「いてっ……」俺は額を押さえる。生温かい血が顔を伝って流れ落ちてくる。

「見事な頭突きだな、レイヴン」

「黙れクソが、デイモン」俺は横向きに転がる。ファイアボールが俺から離れて立ち上がると、その生え際に切り傷ができているのが見えた。

「他所でやってろ、サイラス」デイモンはそう言って、サンドバッグを何度も殴りつける。

「見てんじゃねえよ、クソ野郎」俺は床から体を起こし、トレーニングセンターから飛び出していくレイヴンを追いかける。

「おい、少し落ち着いて話を聞いてくれ。あんなこと言うべきじゃなかった。すまない。俺が悪かったんだ。ただ、お前の面倒は俺が見れるってことを知ってほしか...

ログインして続きを読む