さあ行こう

サイラス

デイモンはただの潔癖症じゃない。物の配置が少しでもズレていると、直さずにはいられない性分なのだ。図書室の本を整列させるだけで一日を費やせるような男だ。奴のアパートは塵一つ落ちていない。どうやって戦場を切り抜けているのか、俺には見当もつかない。新兵の訓練だってそうだ。たぶん本人も、どうやってこなしているのか分かっていないんだろう。

俺にはどうでもいいことだ。ただ、その任務に適任者が欲しいだけだ。

「この仕事には適任者が必要なんだ。こいつじゃねえよ……悪気はないがな」俺は自分の考えをできるだけ明確に伝えた。

「お前こそ、何を言ってるんだ。俺で十分だろ。襲撃任務だって問題なくこなし...

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