ザ・カーム・ビフォア・ザ・ストーム

セイン

俺のチームと共に今夜の任務の最終確認を行う会議室は、満員だった。計画は隅々まで、徹底的に洗い直す。今回の襲撃に失敗は許されない。情報屋によれば、この地下収容施設には現在、シフター人身売買組織のナンバースリーが潜伏していることは確実だ。奴らは各地を移動しながら、シフターの少女や女性を誘拐している。中には、娘がオメガの狼として覚醒した場合、そのクズどもに売り渡すことに同意する家族さえいる。

オメガはアルファのために与えられた稀有な贈り物だ。だが不幸なことに、社会のクズどもは彼女たちを金のなる木としか見ていない。使い捨てにされるシフター。用が済めば捨てられる存在だ。その過程にどれほどの時間がかかるのかも、誰にも分からない。オメガとの交配は、オメガではない狼のシフターとのそれより百倍も快感が強いと言われている。比較にならないほどの快感。それこそが、人身売買組織が存在する理由だと奴らは言う。

オメガはアルファにとって、決して満足することのない麻薬のような存在になる。俺自身は知らないがな。俺は自分のパックの雌狼たちが発情期を迎えても、一切手伝うことを拒否しているからだ。ミッドナイト・パックのアルファである俺が発情期クリニックに参加すれば、起こりうる問題が多すぎる。幸い、パックには発情期にある雌狼を助ける意欲と能力のある雄のシフターが十分にいる。

この大規模で複数の都市にまたがる人身売買組織の責任者どもへの復讐心は、単に女性や子供が行方不明になっているという事実よりも、はるかに根深いものだ。「デルタチームがまず、武器を構えて接近する。彼らはファングチームを援護し、その間にファングチームはシフトして施設周辺のあらゆるものの喉笛を食い破り、敷地を確保する。それによってアルファチームが施設に突入できる」俺はテーブルに広げられた大きな地図の上で駒を動かしながら、作戦を練る。「この木に狙撃手を一人配置し、他のチームをすり抜けてくる可能性のある狼からアルファチームを援護させろ。情報屋によれば、一階は最近犠牲者たちを売り払ったため、新しい者たちを受け入れるための空き部屋ばかりだそうだ」クソどもが。部屋中に唸り声が響き渡る。

「それを止めるには遅すぎた。だが、この忌々しい施設を灰になるまで焼き尽くし、そこにいる全員を殺すことはできる」俺は怒りを募らせながら、唸るように言った。

「ファングチームは敷地周辺の森にドロップバッグを置き、アルファチームは必要がない限りシフトしない。どんな種類の扉や檻に遭遇するか分からないからな。万一のために、追加のC4を持ってきた」俺のベータであるサイラスが説明する。こいつはいつも、何かを爆破する機会をうかがっているように見える。

「なぜ施設を空にしておきながら、ナンバースリーと下っ端のクズどもをそこに残しておくんだ? 盗んだシフターの次の荷を待つ空き部屋を見張るだけなら、そんな上級幹部は必要ないだろう。他の施設を視察したり、新たな誘拐計画を立てたりする方が先じゃないか。筋が通らない」彼が疑問を口にする。その通りだ。

このクズ組織のかなり上層部にいる人物なら、名前を知っているはずだ。答えを。責任者を見つけ出し、ゆっくりと始末するための、パズルの最後のピースを。ハッキングし、追跡し、暴力を振るい、拷問もした。だが、このクソみたいな組織のリーダーが誰なのか、いまだに手がかり一つ掴めていない。「ああ、筋は通らない。だが、施設に乗り込めば全てが明らかになるはずだ」俺は事実を述べるように言う。「そこにいる可能性のある者は全員救出し、そしてそのクソ野郎は生かしておく」俺は唸る。俺の目が金色に閃き、狼のローナンが血と復讐を渇望して表面近くまでせり上がってくる。「ヒーラーをデルタチームに一人、アルファチームに一人つける」「必要ないことを願うがな」俺は付け加える。

ラ・プラタのミッドナイト・パック、現在記録されている中で最大の狼の群れのアルファとして、俺にはパックを安全に保つ義務があり、それを真剣に受け止めている。仲間のためなら、どんな銃弾や牙の前にでも我が身を投げ出すだろう。パックの安全を保つことの一部は、こうした人身売買組織を追い詰め、少女たちを救出し、家族と再会させるか、あるいはパックに迎え入れることだ。それは長く、トラウマを伴うプロセスだ。少女たちのほとんどは数ヶ月にわたって虐待されている。幸運にも救出される者もいれば、売られたり、飽きられた挙句に見せしめに殺されたりする者もいる。そのことを考えると、吐き気がして、殺意が湧く。その順番でだ。「装備を整えろ。出撃だ」俺が命じると、全員が兵舎へ向かい、装備を固め、乗り込む準備を始めた。

施設への道中は緊張に満ちていた。四十人のエリートシフターを連れているが、それでも俺は神経を尖らせていた。俺は慎重にそれを抑え込み、パックの絆を通して自信の波を送り込む。こういう任務を何度こなしても、俺のパックが傷つき、あるいはそれ以上の事態に陥るかもしれないという思いが、常に俺を苛む。彼らは自ら志願した。だが、パックや他の者たちのために命を懸けることを選んだからといって、彼らの命の価値が軽いわけではない。

俺がこの群れのアルファになって、もう六年になる。二十二歳で引き継ぐつもりなんてなかったが、先代のミッドナイト・パックのアルファである父が、我々の家族に起きたあの事件の後、自らその座を退いたのだ。両親は悲しみに打ちひしがれ、群れをまとめることができなかった。職務を遂行するために自分たちを奮い立たせることができなかった。両親は心を閉ざし、すべてを諦めてしまった。再び、俺の目が金色に輝くと、内なるローナンが境界を突き破ろうと押し寄せてくる。怒り狂い、唸り声を上げ、血に飢え、復讐を渇望している。

「変身するな、ローナン。俺が指揮を執れるよう、その怒りを鎮めろ。もうすぐ着く。そしたら奴らを皆殺しにするんだ。あのクソ野郎から必要な答えを、できるだけゆっくりと拷問して吐かせてやる」俺は彼を押し返す。

『我々は一マイル先だ。チーム・ファング、停止と同時に荷物を捨てて変身しろ。チーム・デルタ、周囲を包囲し、狙撃手を配置しろ。サイラスは俺と来い』俺が思考伝達で指示を出すと、全員が素早く配置についた。チーム・ファングは即座に変身し、施設へと駆け出す。チーム・アルファは徒歩で続く。変身せずとも、我々は速い。空気の薄い山中で、急な傾斜を使い、長時間の訓練を積んできた。何年にもわたる訓練のおかげで、我々はより速く、より持久力と力強さを手に入れるという利点を得ていた。施設に到着すると、チーム・デルタが即座に援護射撃を開始してくれた。我々は走る。撃つ。狙撃手たちが次々と敵を仕留めていく。チーム・ファングの黒い狼たちは容赦なく敵の側面を突き、圧倒し、素早く喉笛を食い破っていく。一分経つごとに、血飛沫がそこら中に飛び散る。我々は奴らを虐殺していた。中には変身して山へ逃げようとする者もいたが、別の狙撃手と我々の狼たちに阻まれるだけだった。

「一人も生かすな。死んだら奴らを調べろ」俺はナイフを手に白兵戦に突入しながら、チームに念を押す。ある瞬間には喉を切り裂き、次の瞬間には蹴りを入れ、足を払い、このクソッタレ共の心臓にナイフを突き立てていた。

『このろくでなしどもを殺すのには、一生飽きそうにないな』サイラスが思考を送ってくると同時に、最後の刃が俺の耳元をかすめ、背後から迫っていたシフターの目に突き刺さり、そいつは即座に倒れた。

『お前が俺の最高戦力の一人であるのには理由がある。さあ、その血への渇望を施設の中に持ち込むぞ』俺が返信すると、すぐに彼の笑い声が返ってきた。

『最高の一人だって? 俺が〝最高〟だろう』サイラスが思考伝達で自慢する。

『とっとと中に入れ、このシフター野郎』俺は唸るように返す。普段から彼に対する俺の忍耐力は、良く言っても薄いのだ。残りのチーム・アルファが素早く施設内になだれ込み、建物のあちこちから出てくる数人のシフター警備員を撃ち抜いていく。一人ずつ突入し、一階の各部屋を掃討、制圧していく。部屋はどれも狭く、中央には拘束具付きの手術台が一つ。部屋には消えない恐怖と、セックスと、血の匂いが充満している。壁には血痕が飛び散り、床の中央には排水溝があり、使用済みの注射針が散乱していた。すぐにこれらの部屋が何であるかを悟る。強制発情室だ。化け物どもが少女たちに薬物を注射し、拘束し、シフターの発情を体験したいアルファやベータから金を取る。

『聞こえるか? 誰かが呟いているのが聞こえた気がする』サイラスが思考を送ってくる。

我々は最後の部屋を出て、廊下を進み始める。角を曲がると、そこには金庫室の扉があった。『なんでこんなところに金庫があるんだ?』俺は半分混乱し、呟くように思考伝達で問いかける。『聞け、中にいるのは奴だと思う。何人いるかは分からないが、声は一つしか聞こえない。サイラス、扉を爆破しろ』

彼がその顔に大きなくぼみのある笑みを浮かべるのに、それ以上の言葉は必要なかった。もし彼が俺のベータであり、冷酷な殺し屋だと知らなければ、スーパーモデルか何かだと思うだろう。彼は後ろに下がると、手際よく扉の周りにC4パテを設置し、ワイヤーを差し込み、後退して起爆させた。『チーム・ファング及びデルタへ、アルファチームは施錠された地下施設へ侵入する。周囲を警戒せよ』と指示を出す。

金庫室の扉と周囲のコンクリート壁が爆破され、警備されたエリアへと吹き飛んだ。存在しなくなった扉を四歩進み、右に曲がった瞬間、尿と糞の悪臭に襲われた。その匂いは圧倒的だが、その下にラベンダーのかすかな香りと、圧倒的な恐怖の匂いが混じっていた。その微かなラベンダーの香りに、ローナンは即座に集中し、意識を研ぎ澄ませる。酒と煙草と体臭にまみれた一匹の狼シフターの存在を感じる。呻き声が聞こえ、塵と暗闇の中から銀色の瞳が一瞬きらめくのが見えたが、見えたのはそれだけではなかった。

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