20 パック

アイラの指についたアイシングを舐めたのは、いくらなんでも露骨だっただろうし、彼女の代理アルファとして不適切だったかもしれない。だが、自分でも気づかぬうちに、ごく自然にやってしまったのだ。もしサイラスに知られたら、いつまでもからかわれるに違いない。俺の好きな、あの真っ赤な頬を見るに、子狼ちゃんは昨夜、俺のことを考えていたらしい。だが今は、上半身裸で彫刻のように割れた腹筋を晒したサイラスが、同じく上半身裸でこれまた見事に割れた腹筋のデイモンを連れて、アイラのいる助手席側へと向かってくる。俺は激しい嫉妬心と格闘している自分に気づいた。

内なるローナンは厳戒態勢に入り、俺の目は数えきれないほど金色に...

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