入ってくる

セイン

「突入するぞ!」俺はそう叫びながら診療所のドアを蹴破った。サイラスと俺はデイモンのデカいケツを、ナイルとギャレットはセオを引きずりながら、診療所の廊下を運んでいく。二人を二人用の病室に運び込むと、エリックと彼のチームが駆け寄ってきて引き継いだ。

デイモンの状態は、満身創痍という言葉では生ぬるいほどだった。彼を生かしていたのは、ただひとつ、彼の番(つがい)が与えていた肌と肌の触れ合いだけだったのだろう。切り傷、刺し傷、噛み傷、打撲痕、そして血がデイモンの全身を覆っている。

大量の血だ。

前腕の骨も見えている。

セオのほうは幾分かマシに見える。つまり、デイモンが自分の番(つがい)を...

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