あなたには出口はありません

サイラス

あのクソ女の首筋を軽く突いてやれば、しばらくは眠ったままだろう。だが、あのクソ野郎の方はそう簡単には済ませない。眠っているそいつの体に身をかがめ、俺は囁いた。「ばあ」と。ロジャーが目を見開いた瞬間、俺はそいつの顔面に一発食らわせ、完全に意識を刈り取ってやった。パックから抗精神病薬を取り出し、そいつの首筋に注射する。

こいつを担いで帰り、車で運ぶまでにはクソ長い道のりがある。だが、幸いにも長身で痩せ型だから、このぐったりした体を運ぶのは楽だろう。もっとも、大した問題じゃないがな。

俺はデカくて、美しい、クソ野郎だからな。

パックを背負い、奴の腕を掴んで肩に担ぎ上げる。しばらく玄...

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