私は自分がなりつつある姿を全く嫌いではない...

アイラ

セインがその手を切り落とした瞬間、アルファ・ゾンネはシャツの胸元に嘔吐した。サイラスが即座に傷口を焼くと、その混ざり合った異臭に、私も危うく吐き気を催しそうになる。

「アイラ、君は出て行ったほうがいい」

私がセインの全身に視線を走らせていると、彼がそう言った。暗い色の服がぐっしょりと濡れているのは見て取れるが、そのおかげで彼が返り血まみれであるという事実はうまく隠せている。

ここに来るべきじゃなかったかもしれない。

「いいえ。あなた、彼を殺しかけてるじゃない。まだ質問には何も答えてないのに」

私は嫌悪感を露わにしてゾンネを見下ろし、鼻にしわを寄せた。セインの怒りを前にして、彼...

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