破られた約束

レイブン

図書館の奥にあるカビ臭いエリアで、国勢調査の資料を手作業で一枚一枚確認するなんて考えただけでもうんざりする。でも、モニカの本に書かれたシーンをもう一つ再現できると思えば、それも耐えられるというものだ。

「いいから、中に入れて」

私はそう促した。ズボンを膝まで下ろし、図書館の奥にあるテーブルに身を乗り出す。つがいの彼の上に跨り、腰を浮かせたまま、フォルダーに積もった埃をふっと吹き飛ばす。

「それで、どうするんだ?」

彼が尋ねると同時に、ゆっくりと私の中に滑り込ませてくる。甘い呻き声が漏れるのと、彼が私をゆっくりと後ろに引き寄せるのは同時だった。

「それだけ。何もしないの。ただ、...

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