次の戦いを始める時だ

セイン視点

アイラは「平気だ」と言い張る。

負傷者の手当てを「手伝える」と。

だが、SUVの後部座席に座らせた瞬間、彼女は疲労で気絶するように眠ってしまった。おかげで文句を言わせずに閉じ込めることができたわけだが。

「あの子が中で寝てるってだけで、本当に護衛を十人もつけたのか?」

エリックの捜索を続ける俺に、サイラスが尋ねる。ニコライはシールドの中に閉じ込められたまま唸り声を上げており、リトル・ウルフ(アイラ)が眠っている間にシールドが解けた場合に備えて、護衛たちが彼を取り囲んでいる。

いっそ解けてしまえばいいのに、と思う。

「ああ」俺は戻ってから講じるつもりでいる、あらゆる強硬手段を思...

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