ファウンド・ユー・リトル・ウルフ

走りたいと告げたときのセインの顔は、傑作だった。驚きと安堵が入り混じった表情。振り返ってセインにドレスのジッパーを下ろしてもらう。けれど、それがもどかしいほど時間がかかる。というのも、彼が私の背中を指でゆっくりと滑らせて、からかっているからだ。ドレスを脱ぎ捨て、セインと向き合う。「ドレスの下、何も着てないのか、小さな狼? 俺をどうしたいんだ? 番いの夜に、俺を殺す気か」彼は胸を押さえながら、飢えた目で私の体を頭のてっぺんから爪先まで舐め回すように見つめて言う。私が靴を脱ぐと、セインはわざとらしく悲しそうな顔で眉をひそめ、私は思わず笑ってしまった。

「変身しろ、アイラ。そして走れ。必ず見つけ出...

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