第12章

藤原光弘は言葉を聞くと口角に冷たい笑みを浮かべ、鋭い眼差しで彼女を見つめた。一言も発しなかったが、致命的な威圧感が漂っていた。

秋山棠花は全く怖がる様子もなく、堂々と視線を返した。

視線の間で、無言の火花が散った。

秋山棠花の異常なほどの落ち着きに、藤原光弘の表情はさらに険しくなった。

そのとき、秋山棠花のスマホに電話がかかってきた。

祖父からのビデオ通話だった。

夜を待たずに、安田爺さんはもう我慢できずに確認の電話をしてきたのだ。

やはり祖父は何かを察知しているのかもしれない...

藤原爺さんは隣にいて、一目で誰からの電話か分かった。

まだその場に立っている孫を一瞥し、そ...

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