第17章 お見合い

これで全てを終えた彼女は、満足げにアイスクリームを一口かじった。うん、やっぱり気分がよくなった。

スマホが震え、安田美香は藤原時からのメッセージだと思ったが、実際は安田礼からだった。

「美香、どこにいるの?田中さんのことどう考えてる?あの人、滅多にいない良い相手よ。しっかりチャンスを掴まなきゃダメよ!」

安田礼の口調はいつものように「優しさ」に満ちていたが、言葉の端々から計算高さが透けて見えた。

安田美香は冷ややかに笑った。田中栄威?あの油ぎった中年男が私に釣り合うというの?

彼女は直接電話を切り、安田礼の番号をブロックした。

世界がようやく静かになった。

安田美香はゆっくりと...

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