第30章 彼女とキスする

藤原時は何も言わず、ただ酒瓶を手に取り、再び一気に飲み干した。

「時、何をしているの?」安田美香は思わず尋ねた。

「お前に関係ない」藤原時は冷たく言い放った。

安田美香は言葉に詰まり、心に少し傷を負った。

「時、俺に対抗するつもりか?」白川寒は笑いながら言った。「そんなに酒が好きなら、付き合ってやるよ」

彼は安田美香の方を向いた。「安田美香、今度は君が回してくれ」

安田美香は少し躊躇ったが、それでも酒瓶を受け取った。

彼女が軽く回すと、瓶が回転し始め、全員の視線がそれに釘付けになった。

「ストップ!」

酒瓶はゆっくりと止まり、口は……藤原時を指していた。

「またも時か」白...

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